笛吹きたち会員

第42回青山フルートインスティテュート発表会


テーマ「おきる」


副読本文学賞

徳植俊之さんが授与されました。(副読本をご覧ください)

「笛吹きたち」42号文学賞

第1席、田頭ゆかりさん、第2席は徳植俊之さん、第3席は植竹里奈さんが授与されました。


笛吹きたち文学賞

第1席

笛吹きたち四十二号「文学賞」
第一席 二十四時間ゲーム『ラムネ村は家族を救う』
 田頭ゆかり様
 おめでとうございました。連続小説「田頭家物語」は毎号読者の人気を呼んでいる読み物です。家族の内情をこのように克明に記述した文章は文集「笛吹きたち」の中でも特異な存在です。普通だったら人には知られたくない家庭内の葛藤を、あなたは真摯克つ軽妙に著述することによって読者の心を掴んできました。毎号登場するお父さん、お母さん、長女、次女の皆さんは笛吹きたちの会員にとってはすでに有名人となっています。今度はどんな話になるのだろうと毎号ハラハラさせられます。今号はゲームによって家族の心が通い合った事が書かれました。パソコンゲームは架空の世界で行われます。架空の世界のことに一喜一憂することをバカにしてはいけません。田頭家の人々を見て下さい。これによってみんなが幸せの実感を得たのですから。「人生は全てヴァーチャル。それ以上でもそれ以下でもない」とは誰かが言っていたような気がします。よってここに賞します。

平成二十五年十二月二十一日
笛吹きたちの会

師匠こと 石原 利矩

第2席

笛吹きたち四十二号「文学賞」
第二席 超絶技巧練習曲の主題による
ある愛の変奏曲 変ナ短調
徳植 俊之様
 昨年、表彰式に於いて文学賞を狙う皆様に警告をしました。最近復帰した徳植氏が文学賞を狙っていることを。警告通り、今年も徳植氏が文学賞に選ばれその席を占めました。
この文の凄いところは、どうでもよい変ナ話を面白おかしく展開させた事によります。その展開の仕方は超絶技巧の名に恥じないもので、どうしてこんなに笑わせてくれるものかと感心した次第です。
超絶と言われるものには常識では考えられない理論の飛躍があります。いわゆる意表を突くと言うものです。この文章の中には意表を突くものがふんだんに散りばめられています。
作者は女性の理論の飛躍を揶揄的に観察していますが、もしかしてこの女性は作者よりも一枚上手ではないかと思わせたりします。何故なら彼女の変奏のテクニックは作者にも理解できない超絶なものがあるからです。
 よってここに賞します。

平成二十五年十二月二十一日
笛吹きたちの会
師匠こと 石原 利矩


第3席

笛吹きたち四十二号「文学賞」
第三席 「オペラに恋して」
 植竹里奈様
里奈ちゃん、やったね。それにしても音大出身者のあなたが二度も文学賞を取るなんて意外です。大体音大生は本も読まずに練習ばかりしているものですから。もしかして里奈ちゃんは本ばかり読んで練習をしていないなんてことはないでしょうね。
人は見かけによらないものとよく言いますが、あなたがオペラの世界に傾倒されたと言うことは意外でした。フルートの曲しか知らない音大生が多い中でオペラに興味を抱く事は感心感心。モイーズを初めフルートの名手の多くは声楽を模範としています。オペラは音楽の総合芸術です。これからも沢山のオペラで名歌手に接し、その素晴らしいところをフルート演奏に生かして下さい。
今年の発表会で「リゴレット」ファンタジーを吹きたいと言ったことが良く理解できました。
来年はパリ「オペラ座」を目指していると聞いています。ギャルソンと友達となるにはフランス語の勉強も大切ですね。
よってここに賞します。

平成二十五年十二月二十一日
笛吹きたちの会

師匠こと 石原 利矩