笛吹きたち会員

第36回青山フルートインスティテュート発表会


テーマ「ふえる」

副読本原稿


今回のお題は「ふえる」でした。いろいろな「ふえる」がありました。この中から当日出演者の投票で副読本文学賞に14番の桂川先生選ばれました。

1.ドクター・H氏  「ふえる」
 石原門下生となって、ふえてよかったこと、
 1、フルート曲のレパートリー
 2、フルート仲間
 3、新しい友達
、、、、そして、新しいいろいろな体験です。

 やはり、人生をエンジョイするには、どんどん新しい仲間をふやし、そして自然とふえてくる新しい楽しい体験、これでしょう......ね。

2. 成瀬 忠
 顔の皺がふえ、白髪もふえ、物忘れ、勘違いも顕著となってきた。と,愚痴ることも多くなったのは確実に「老い」の道を進んでいるということ。エチュードのペケ印も必然的に多くなる。〈練習不足〉そういう現状に逆らい、背伸びをしてシュターミッツに挑戦、どうなることやら?

3. 中村 和正
 増える増える、食欲が増える。
 増える増える、体重が増える。
 増える増えるストレスが増える。また食欲が増える。

4. 高倉 直子  ふえる
 「ふえる」は「笛が吹ける」の略で「笛る」でしょうか??

 「笛が吹ける」と悩みも”ふえる”んです。。。
 でもきっと楽しいことも”ふえる”はず!?

 吹いた曲も”ふえる”けど。。。
 吹けなくなってる曲もなぜか”ふえる”
 不思議ですね~

5. 神倉 友里子
 私にとって、"ふえる"は写真が増えるです。
 旅行に行って、おもしろい形をした木を見つけると、木と同じポーズをしたり、無邪気な野良猫の寝相をあらゆる角度から撮ってみたりしていると、あっという間にメモリーカードが一杯になり、そんな大量の写真を貼ったアルバムを見て、家族はちょっとうんざりしつつも、笑って見てくれます。
 私はどんどん増えた写真を見て、楽しかった想い出を思い出し、これからも増やしていこうと思います。

7. 内田 由美子  ふえる
 エチュードの×印が増えるのは、………いやだなあ、と思わないようにしています。
 もっと向上の余地がある、ということで師匠からの励ましのメッセージだと受けとめています
 この心境に達するのにン十年かかりましたが。

8. 上野 京子  ふえる 
 エチュードで吹かなくてはいけない音符が増えると年齢が増えてしまった私の目には、なんだかすべてが黒い墨のように見えてきます。「もうシャープやフラットをたくさんつけるのは止めて!」、「何、この臨時記号のオンパレードは!」と叫びたくなる気持ちを抑え、ひたすらエチュードにかかれた音符の上の線を数えて音を確かめ練習に臨みます。もう少ししたら諦めの境地になれるかな、と思いつつも、練習不足を補うため今日も線の一杯ついた音符と臨時記号と格闘する電車の中の私です。どおりで目じりの皺も白髪も増えるわけだわ。

9. 中田 美穂  『ふえる』
 ふえる・・・増えて嬉しいもの。「睡眠時間」「練習時間」「レッスンの回数」「レパートリー」「仲間」「小さな気付き」「ブルーベリーの収穫量」「空ビン」「お気に入りのグッズ」「笑顔」「冷蔵庫の中の夏場の氷」「ビリーズブートキャンプの腹筋で起き上がれる回数」「幸せな人」「緑」まだまだあるかも・・・欲張りなのかな。

10. 米山 典子
 ふえる…まさに、シャコンヌのために選んでくださったようなお題ですね。4(あるいは8)小節のシンプルなモチーフ、1つの小節にたった2つか3つのコード。そこから音がふえ続け、調性が変わりながら60回もの変奏を繰り返します。最後に積み重ねられた音を背負った最初のテーマで終わるまで、1つの休符もありません。壮大なたった一人の戦いです。ジタバタと、もがき悔しがりながら練習しました。
 初めて、このシャコンヌを聴いたのは小学生の頃でした。音楽好きの父に呼ばれ、オーディオの前に正座して、オリジナルのVn版とブゾーニ編ピアノ版の聴き比べにお付き合いした時です。父はブゾーニ編がお気に入りでしたが、私はそのストイックなVnソロに強烈に引き込まれました。初めて感動したクラシックの曲でした。その後、触ってはいけないと言われていたレコードプレーヤーに、何度も、こっそりブラックディスクを乗せたものです。今日も、そのグリュミオーの演奏が私の頭の中に鳴っているでしょう。
 あれから幾年月、好きな曲はどんどんふえ続けています。好きな音楽があることも、それを共有できる友達も、まだまだふえてくれる事を願いながら、これからも笛る日々を過ごしたいと思います。

11. 町田 幸子
 夏にふえの大修理をしました。
 音が良くなったかな?
 他に楽譜が棚にふえました。
 そろそろ小さいうちの棚がいっぱい。
 お稽古場のような棚が欲しいです。

12. 藤崎 孝美  ふえると嬉しいこと。
 今年の夏から秋にかけて、友人に誘われて山へ3回行きました。
 登山のように登る とまではいかないですが、ハイキングとトレッキングの中間のようなものでしょうか。
 登山口から楽しくおしゃべりしつつ、あるときは黙々と、または鳥の声に耳を傾け、五感をとぎすまし、ついでに筋肉痛を感じつつ足を進めるのです。マンション・電車・会社で大部分の時間を過ごす私にとっては、なんとも新鮮で豊かな自然との対話。ほそくながく続けたい趣味がひとつふえました。

13. 山口 和克  ふえる
 最近はへるものばかりで、ふえるのは我が部屋のごみ位のものだ。ふえるものの本質は、不要性にありと思っていたが、このところ、ロマン派巨匠作品のフルート版がふえている。これは結構なこと。もしベートーヴェン、シューベルト、メンデルスゾーン、それにシューマンが本気でフルート曲を作っていたら、我らがクーラウ先生は路頭に迷うことになったかも知れない。ベーム式フルートがひろまった時代なのに、ブラームスにはどうしてフルート曲の作曲がないのだろう。交響曲には印象的なソロを書いているのに。何か理由があるに違いない。死ぬちょっと前にクララ シューマンを意識して書いたクラリネットソナタのフルート版が出始めた。クラリネットよりフルートの方が私には心地よい。練習しても皆忘れてしまうのだが、彼のop. 120-1をなぞって我が演奏記録をふやすことにしましょう。

14. 桂川 達郎 (副読本文学賞)
 国民の休日がふえると、どうなるか。因果関係をたどって考えてみよう。
○ 国民の休日がふえると、人口がふえる。
………どうしてかな。
○  人口がふえると、社会の格差がふえる。
 ………ほんとうかな。
○  社会の格差がふえると、失業者がふえる。
 ………わかるような気がする。
○  失業者がふえると、ホームレスがふえる。
 ………自然の法則かなあ。
○  ホームレスがふえると、犯罪がふえる。
………統計上も明らか。
○  犯罪がふえると、刑務所がふえる。
………入れものが不足するから。
○  刑務所がふえる、税金がふえる。
………仕方がないか。
○  税金がふえると、ストライキがふえる。
………困ったもんだ。
○  ストライキがふえると、テロがふえる。
………とんでもないことだ。
○  テロがふえると国は滅びる。
………Xデーがやってくる。
 結局は、国民の休日がふえると、国は滅びることになる。

15. 堀 淳子  宝物がふえる
 数えきれないほどの私の宝物。
 先生や友人。
 また、様々な経験や積み重なる知識。
 そのすべてが人生を豊にしてくれる。

16. 久慈 弥重子
 楽譜がふえるとなぜか嬉しくなります。できるかできないかは別にして・・・。
 いろんな曲が吹けたらいいなぁと思います。
 そのためには、練習する時間をふやさなければ・・・。ふえるといいなぁと思います。

17. 諸戸 孝明  副読本(2007年11月17日)
 なぞなぞ -「ふえる」? とかけて何と解く  
 「師匠の一日」と解く ??  その心は?

  「ふ」?? 奮闘、奮戦の一日です。
  「え」?? 笑顔、笑顔の一日です。
  「る」?? るる、ルルの一日です。

19. 山本 喜子  増える 
 もともとはたった1個のものが、およそ60兆個の数にふえることにより存在するものとは?さて何だと思いますか?
 答えは、人間の体、私たちそのものです。たった1つの受精卵が60兆個もの細胞にふえることにより自分の体を造り上げているのです。人間の髪の約10分の1というごく小さな粒が60兆も集まり自分の体を造り上げているなんて本当に驚きです。
 今日は、私の体の60兆個の細胞の機能をフル活動させ、演奏できるか?どうかやってみることにします。

20. 岸 朋子  ふえる
 この一年ふえなかったもの…レパ-トリ-と仕上がったエチュ-ドと練習時間。悪いお弟子さんですね!反省します。
 ふえたもの…TOSHIと〇〇〇と、どこかに飛んで行った♯と♭の数かしら…。

21. 葛西 よう子  増える
 今月、年令の数が一つ増えました。
 三十と○年経って、いろいろなものが増えていることに気付きました。
 仕事や趣味を通じて知り合った仲間たち。
 レッスンなどで練習を積み重ねてきた教則本と曲の楽譜。そして思い出がいっぱい…大切な宝物になりました。
 また来年、再来年と、年を重ねると共に大切なものを増やせたら幸せです。

22. 斉藤 源一  「ふえる」
 ふえる、ふえる、 物がふえる。
 物があふれる生活の中で、「切捨ての美学」を身につけ、身軽になって、自由に生きたいと思う。
 しかし、親しく取り巻く物たちを未練なく捨て去ることができるだろうか。お気に入りのワイン・コレクションや車がなくなったら・・・・私は嘆き悲しみ落胆にくれるだろう。
 これまでに出会った数々の本が部屋の壁一面を埋め尽くしている。これをいつか捨てるなんて・・・・とても考えられない。これらの本の世界はこれまでの人生の道行で、私の魂をかたち創ってきた一里塚、自分の存在の一部になっているとさえ思える。
 しかし、いつの日か、「切捨ての美学」を自分のものとして、物に束縛されることなく、自由になって風のように去って行きたいものだと願う。

23. 小島 邦雄  ふえる
 ふえる?・・・増えるより減る事の方が多いような生活実感で、思い起こしても増えるのは顔のしわ、白髪等情けない話ばかり。いろいろな経験知識がふえても忘れることがそれを上回り、お金を増やそうとしても支出がそれを超え良いことがない。
 でも、石原教室のおかげで幅広い笛吹きの友人がふえて大きな財産となり、きょうはその人たちの前でふるえる指を必死に押さえて演奏することで思い出がまたふえる。

25. 亀井 周二
 30年ぶりに帰って来て発表会に参加すると昔なかった「今年のテーマ」が「ふえる」。
 「ふえる」を願望で考えるならば、フルートの演奏曲、響き、音量、そして友、趣味が「ふえる」とプラスばかり。一方、現実は発表会を前にして、焦り、緊張感、運動不足による体重と中性脂肪、血圧が「ふえる」とマイナスばかり。マイナスが減り、プラスが「ふえる」ことを願い、努力少し、祈り「ふえる」こと多し。

26. 木村 真諭紀
 自分のまわりには、増やしたい物と減らしたい物がいっぱいありますが、どちらかというと減らしたいものの方が多くなってきました。フルートに関して増やしたいものと言えば、それは何といっても「長い息」。ブレスがながく続いたらどんなにいいかな、といつも思います。でも最近の肺活量の検査で、ほんの少し、ほんのちょっとだけ増えました。それがとてもうれしいのです。

27. 田頭 ゆかり  『笛る』
 炭酸のジュースが『シュワい』(シュワシュワする)とか、早く『お風呂う~』(お風呂に入ろう~)とか、うちの子供たちは、時々、変な言葉を作ってます。ママは、一生懸命『笛ってる』のに思うように『曲りません』(曲になりません)。まだまだ『笛り』が足りないわ。ぴ~ぷ~ぴょ~

28. 植竹 里奈  『無題』
 先週の9日に年齢が増えました。 自分へのプレゼントにとiPodとドレスを買いました。どちらも支払いはまだ終わっていません。 そんな支出が増える一方、大学を卒業してから一人の時間が増えました。そろそろ一人焼肉にチャレンジ出来そうです。
 ここ数年青山のイベント時は必ずと言っていいほど幹事をやっています。 そろそろメンバーチェンジがしたいとこです。そんなわけで、来年度の笛吹きたち第37号製作、合宿、発表会の幹事をやって頂ける方、大大大募集中です。

29. 林 直美
 私は今年、フルートが大好きだというすばらしいフルート仲間にたくさん出会いました。
 私は福岡に住んでいて、石原先生には高校生の頃から2ヶ月に一回レッスンを受けていました。
 そして今年の夏には初めて山中湖での合宿に参加させて頂き、たくさんの方々と出逢いました。 最初は福岡からの参加で不安ばかりでしたが、皆さんがとても温かく、親切にして下さったおかげですぐに馴染むことができました。
 福岡では、同じようにフルートを吹く仲間があまり多くなく、その合宿でたくさんの方々に出逢えたことで、新しく知ることがたくさんありました。
 合宿によりフルートを愛する仲間が今年たくさん増えたこと、これは私の今年一番の喜びかもしれません。

30. 小野 宏子  ふえる
 人間できることが増えることは素晴らしいことです。
 今年は、姉2人が相次いで出産して、私には甥が2人できました。赤ちゃんは日々成長します。あやすと笑う、首がすわるなど、できることが増えるそのたびに周囲は大騒ぎで喜んでいます。
 フルートについても、大騒ぎで喜ぶくらい毎回成長があるといいのですが、なかなか大騒ぎはできません。
 今年は憧れのモーツァルトが吹けます。喜びや楽しみ、笑顔など、増えるとうれしいものがたくさんつまったモーツァルトの音楽を、‘トリ’のプレッシャーに負けず、楽しく演奏できたらいいなと思います。