閑話休題

閑話休題 その1


トーシーの法則   石原 利矩

トーシー(I0×4)の法則の読み方
ニヤリとしたりフムフムと頷く回数が多ければ多いほどあなたはその道をわきまえた達人です。
そんなはずはないと思う人は将来有望です。
面白くも何ともない人は修行が大切です。
さて、あなたのニヤリフムフムを数えてみましょう。

I■練習学

I-1●近所付き合いの法則
隣人が間違ったメロディを口ずさんでいたらそれはあなたの責任だ。
対処:全ての窓を閉める。雨戸も閉める。カーテンを引く。目張りをする。

I-2●筋トレの法則
テレビや新聞を見ながらソノリテを吹くのは有効に時間を使う方法だ。食事しながらできれば尚いい。頭部管だけの練習なら運転しながらでもできる。
補足:パトカーに捕まったら責任は自分にあるずらよ。

I-3●練習時の法則
練習したいと思うときはいつも練習ができない状況にいる時だ。

I-4●次のレッスンまでの時間の法則
近づけば近づくほど時間の進む速度は速くなる。

I-5●練習回数と集中度の法則
練習回数が多ければ集中度は減少する。集中度が高ければ練習回数は減少する。
説明:練習回数×集中度=おきまりの完成度。

I-6●難易度の法則
簡単に見える曲は難しい。難しく見えたらどうやったって不可能だ。

I-7●歌心の法則
恋をしないと歌心が分からない。
補足:歌心のある演奏ができる人が恋をしたかどうかは分からない。

I-8●ブレスの法則
どんな曲でもブレスするところはいたるところに有る。
補足:フレーズよりも生命維持が先ずらよ。

I-9●音程の認識の法則
音程の認識には2つのタイプに分かれる。1つは自分は正しい音程が分かっていると自負している人と、全く分からない人である。

I-10●楽器依存の法則
弘法は筆を選ばない。多分筆を選ぶお金がなかったのだろう。
弘法でないものは筆を選ぶ。多分お金があるのだろう。
補足:高価な楽器は値段に相応しい音が出るとは限らない。ただ、フルートをあきらめることに歯止めをかける。

II■レッスン学(グループレッスンの場合)

II-1●順番の法則
当たりたくないと思うときは必ず一番目に当たる。

II-2●言い訳の法則
時間の無駄。
補足:言い訳を言っていいわけ?

II-3●遅刻、欠席の法則
演奏したくないときは次の時間帯に行けばよい。風邪はレッスン日の前日にひくとよい。

II-4●練習量の法則
練習量が多くても結果に反映するとは限らない。練習量が少なければ尚更である。

II-5●自己顕示の法則
目立ちたい時は他の人よりもつっかえると良い。あるいは人の演奏中大声でおしゃべりをするとか。泣く手もあるよ。
補足:正常よりも異常の方が記憶に残る。

II-6●内と外の法則
家でやっとうまくいったところはレッスンではうまくいかない。うまくいかなかった所はレッスンではもっとひどくなる。
弟子の言い分:「家ではうまくいったんですが・・・」
師匠の言い分:「お宅のあなたを連れていらっしゃい」

II-7●評価の法則
ほめられたことはいつまでも忘れないが、注意されたことはすぐ忘れる。
補足:何も言われないとすねる。

II-8●最後の手段の法則
それ以上うまく行かない場合は自己の特色とすればよい。

II-9●現実逃避の法則
師匠があくびしたらそれは弟子の責任だ。眠り込んでしまったら演奏をやめると良い。必ず起きる。

II-10●思いやりの法則
師匠より自分が有能であることを師匠に悟られてはならない。

III■修了コンサート学

III-1●曲選びの法則
やりたい曲は人に取られる。
話し合いで決めても人に取られる。

III-2ステージマナーの法則
挨拶を省略。延々と音合わせ(Aの協演)。伴奏の音がまだあるのに帰り支度。走って退散。

III-3●伴奏の法則
ミスすれば勝つ。
補足:伴奏者は従うしか方法がないずらよ。

III-4●あきらめの法則
いつまでも続く曲はない。
補足:今まで止まなかった雨はない。

III-5●緊張の法則
上がるも八卦、上がらなぬも八卦。

III-6●神頼みの法則
神はステージにはいない。

III-7●拍手の法則
誰しも演奏後には絶大な拍手を期待する。その人が客席で聴く場合は絶大な拍手をしない。

III-8●唾液の法則
口の砂漠の~。カラカラになった場合はアルバイトを雇い客席からレモンか梅干しをちらつかせてもらうと良い。

III-9●演奏後の感想の法則
もう一度やれたらもっとうまくできるのにと思う。
補足:やれたとしてもうまく行かないずらよ。

III-I0●開き直りの法則
絶対的な美は存在しない。
過ちは真実よりも美しいときがある。
自然界で唯一不完全なものは人間である。

IV■アンサンブル学

IV-I●音合わせの法則
最後に残った音はいつもはずれている。

IV-2●全員合奏の処世術の法則
まわりを見回す。音を出さない。

IV-3●伝染の法則
誰かがミスすると、他の人のミスが続く。

IV-4●パート決めの法則
天は人の上に人を作り、人の下に人を作る。

IV-5●いさかいの法則
船頭多くして舟沈没。
補足:いるいる。

IV-6●幻惑の法則
聴覚に訴える自信のないものは視覚に訴えよ。
補足:衣装に凝る。小道具を用いる。奥の手は踊ればよい。

IV-7●やり直しの法則
曲が進行しているのに間違った個所を自分だけやり直す人はパジャマを着て会社に出勤しても良い。

IV-8●アインザッツと音の長さの法則
補足:朝風呂に長湯と解く。その心は、誰よりも早く入り、誰よりもゆっくり出る。

IV-9●音程の法則
一合の美酒に一匙の泥水を入れたら泥水だ。
一合の泥水に一匙の美酒を入れてもやっぱり泥水だ。

IV-10●アンサンブルの出来上がりの法則
常に演奏はリズムと音程の悪い人のレベルに集約される。


今年も楽しくやるずらよ。